やりたいこと/やりたくないこと
12月31日(火)。
大晦日でもあり、旅行の終わりの日でもある。チェックアウトは11時、我々はギリギリ10時55分に部屋の鍵を返却し、そのままカフェへ急ぐ。なんとか朝食に間に合う。
わたしが作りました風写真。
どれもおいしくて感動……。そうそう、エッグベネディクトも初めて食べた。『食戟のソーマ』くらいでしか見たこともなかった。今回の旅行では毎日なにかしら初めての体験ができていてうれしい。
朝は晴れていたのに気付いたら雨がぱらついていた。我々がホテルを出るタイミングで受付のスタッフの方がこれをどうぞ、と傘を差し出してくれてありがたい。ん、でも返せないけど……と少しだけ思ったが、チェックアウトを済ませているのを彼女は知っているはずだし、ビニール傘だったから、これは返却の必要のないものだろうと判断。
バンクシーではないんだって。
当初は青春18切符で約10時間かけて埼玉まで帰ろうかなと考えていたが、己の体調を考えるとふつうに無理そうだったので大人しく新幹線を利用することにする。調べてみたところ、大晦日の夜に移動する人は多くはないのだろう、どの車両も○だったので一安心。時間が読めないので予約自体は後でにする。
スケジュールに余裕ができたので、昨日は断念したtoi booksに行ってみることに。
天満橋から本町へは大阪メトロを利用するのがよいらしかったのだけど、うっかり京阪の改札を通ってしまう。このルートだと運賃が120円高いんだよね。いいけど少し悔しい。次はミスらないぞ。
大阪のことはほとんど何も知らないので、本町がオフィス街であることも当然知らなかった。オフィス街の景色はどこもあまり変わらないんだなあ。風が強くてくじけそうになる。こんなオフィス街のどこに……と思いながら歩いていたが、商店が立ち並ぶ一角にあって納得。
よさそうな雰囲気、おもしろそうな企画。
『かわいいウルフ』が置いてあるとすっかり自分がにっこりしてしまうようになった。
気になる書籍はたくさんあったけど、せっかくなので大手から出ている一般的な書店でも買えそうなものではなく、ここ(似たようなコンセプトの書店)でないと手に入れるのが難しそうなリトルプレスなどを選んで購入。
それぞれ買物を済ませ、店を出る。強風で冷えた身体にちょうどいい熱さのたい焼きが染み渡る。
たい焼きについての評価軸としてよく「しっぽにまであんこが詰まっているか」というものがあるが、それってそんなに重要だろうか。頭から食べ始めて、あんこのやわらかさを味わったあと、最後にカリッとしたしっぽで締めるのも悪くない、というか舌をニュートラルな状態に戻すためにそのほうがよいのではないか。
新大阪に移動し、青春18切符を使って在来線で名古屋を目指す。おとといの行きと比べると乗車率が低い。大晦日に大移動する人は多くはないよな。向かいに座ったおじさんが大学ノートに乗車時刻のようなものをメモしているように見えて、乗り鉄なのかなと思った。
埼玉在住のぼくは当然ふだんはまったく利用しない路線なので、よく知らない駅でたくさん人が下りるたび感心してしまう。どこにだって当たり前に生活がある。反対に、全然下りる人もいない駅から乗車する着飾った若者たちを見て謎に「幸あれ!」みたいなテンションになったりもする。
そうこうしているうちに、というのはずいぶんと乱暴なまとめ方だが、無事に名古屋駅に着いて、旅行はおしまい。さみしい気持ちがないわけではないが、不思議と達成感もあり、惜しみムーブなどはとくになく、スッと別れた。
達成感があるのは、おたがい相手に遠慮することなくやりたいこと/やりたくないことを伝えることができ、かつきちんと配慮ができているからだと思う。本当はこっちの方がよかった……的な面倒ごとが発生しないので、割と常にその時々で最善の選択ができている。永遠にそうでいられるかはもちろん断言できるはずもないけど、少なくとも今のところはうまくできているし、当分はそういう感じでやれるような気がしている。ありがたすぎる……。
人の少ない東京駅に着いて、人の少ない電車に乗り換えて家に向かう。年末に旅行したことで1年を振り返るタイミングを逸した感があるが、それもまたよし。気が向いたら年明けにやろう。毎日の日記の更新は、ひとまず本エントリーをもって終わり。思いつきだけで始めて途中何度か諦めかけたこともあったけど、あまりにも多くのことを与えてくれたので、何事も続けてみるものだなと感慨にふけっているし、無事に365日分書き終えられたことに安堵してもいる。
でも、しれっと2020年も日記を続ける可能性もけっこうあって、まあ、相変わらずそのときの気分で決めようということで、確かなことは何も言えないんだよね、ぼくの日記を気にかけてくださった方や楽しく読んでくださった方への感謝の想い以外には……(ドヤァ)。
ありがとうございました、近いうちに、また。