「天満と天満橋はエレクトロとエレクトロニカぐらい違う」
12月30日(月)。
旅行2日目。そうしない選択肢もあったが、あんまり予定を詰め込まなかったのでできるだけのんびりと過ごす。
恋人がいつもやっているらしいスキンケアを施してもらう。たまに、「それ、YouTubeでみたことあるやつだ!」となっておもしろい。進研ゼミのマンガ状態。
のんびりしているうちに朝食の時間を逃したが、ホテル内のカフェでサンドイッチを食べる。サーモンのやつと、ハムとチーズのやつ。めちゃおいしかったのだけど、フィルムカメラで撮ったので画像はなし1。
今日のふたつある予定のひとつとして、本町の toi books に行くというのがあったのだけど、ホテルでおたがいの爪を塗りあうなどしていたらもうひとつの用事の時間が迫ってきて、行かないことに。柔軟であることは我々のよさなので。
「天満と天満橋はエレクトロとエレクトロニカぐらい違う」という言葉を胸に、ちょっと早めに部屋を出て、日本一長い商店街を端から端まで歩く。途中、たこ焼きを食べたり日本茶を出す喫茶店に吸い込まれたりする。道中、いくつか喫茶店があったがほとんどもうお休みだったからか、客が集中していて大変そうだった。いつかのすき家も真っ青のワンオペ。20分くらいかかりそうですけど大丈夫ですか、という話だったが、実際には40分くらい待った。この旅行で唯一の少し焦った瞬間であった。おいしかったのでオーケー。きれいな茶器である……。注文のとき、好きなものを選べる。また行きたいな。
少し早めに飲み干して、礼を告げて店を出る。
待ち合わせに遅れないために急いでいる様子。
ホテルの予約をした2ヶ月前から気付いていたんだけど、この辺りでかつて山田さんと飲んだことがある。今回は伺えずにすみません、また今度。
目指す居酒屋。
結局、我々がいちばん乗り、少し経ってかずおが登場。アリムラと連絡がつかないが、向かっているところだと判断して入店。ほとんど予約でいっぱいだが19時半までならオーケーとのことで滑り込む。ネタがベロより厚いと聞いていたので、いやがおうにも高まる期待。注文を紙に書くスタイルで、なんでもかんでも「×4」としたが、ひとつで2貫なことを知らなかったので料理がきた時にちょっと驚いてしまった。もうすぐ来るだろうとアリムラのぶんの生ビールも注文しておく神采配が功を奏し、到着からシームレスに乾杯へ。あとはもう、飲めや歌えやの大騒ぎ。
19時半までとは言われていたが俺たちから出る必要はない、指摘されるまでい続けるぞ、などと思っていたがきちんと10分前に店員さんがきた。そりゃそうだよね、と会計を済ませ、しかしさすがに話し足りないのでマ(マクドナルド)に移動。なぜかみんなマックシェイクを注文する。謎のグルーヴがあった。
ふたりともosicomagazine vol.2ではとてもお世話になった。想像以上にお買い上げいただけているのはかずおのデザインによるところがかなり大きいと思っているし、寄稿者の名前でいちばんヒキがあるのはアリムラである。以前の日記にも書いたけど、書店で取り扱われるきっかけも彼らだし、心から感謝している。もちろん、誰が欠けてもああはならなかったので、等しく感謝している。皆まで言うのは野暮か。ずっと創作活動を続けている彼ら(と同様のすべての人たち)に憧れや尊敬の気持ちがあったのだけど、ぼくもようやくちょっとは並べそうな感じになれた気がしてうれしい。その場では言わなかったけど。
具体的な会話の内容は断片的にしか覚えていないのだけど、未来の話もバカな話もたくさんできてよかった。言いたいことはめちゃくちゃあるがアウトプットはポップ、という話が印象に残っている。
恋人はかずおの名司会っぷりに感心していて、そんな印象はなかったけど言われてみればたしかにそうかもと思う。なじみの仲間の輪の中に新しい視点が加わるのはありがたいことだね。友だちに恋人を紹介するのはほとんど初めてで、そういうときにぼくがどういう感じなのかを見たい、という裏テーマがあったのだけど、べつにいつも通りだね、との評価。それは本当にそう。嘘がつけず、キャラをつくれない、というかひとつしかない。でも、たまに無理をすることもある。
1時間くらい話し込んだ。だんだん混雑してきたのでぼちぼちいいタイミングでしょ、一本締めで解散。1年の最後の飲み会がこれ以上ないよさであることに満足。貴重なお時間を我々のために割いてきただき、ただただ感謝するのみ。
電車には乗らず、ホテルを目指して日本一長い商店街を再び歩く。スーパー玉出、一度も入ったことはない。
射的に吸い寄せられた恋人を見守る。6発で500円。店員のお姉さんが片言の英語でシステムを説明しようとしている。こっちはこっちで「この人はアジア系で、日本語を話せないのかな……?」と思ったが、違和感を覚えたので挙手して「あっ、日本人です!」と伝える。お姉さんもそうでした。みんな笑顔。最近たまにこういうことがある。べつに全然嫌な気分にはならない。社会は変わっていっているんだなあと感心する。自分のどんなところがそういう風に見えるんだろう、とはちょっと思う。話によるとふだんはゲームセンターらしく、うっかり「クレーンゲームより取りやすいですよ」と言っていてウケた。
射的も人生で初の体験だった。知らないことだらけの人生である。初めてなのにうまく当たって気分がよくなった。ありがたい。景品にはそれぞれ点数が設定されていて、撃ち落とした的の裏に書かれた数字の合計が達するともらえる仕組み。我々のトータルは4点で、いちばんいい景品がたしか40点とかで、そういうことね〜と感心。ぜんぶ撃ち終えたところでさらに課金するか聞かれたけど、フィギュアがほしいわけではなかったので終わりに。
コンビニでつまみとアルコールを買い求め、ホテルへ戻る。千葉雅也が『アメリカ紀行』で、日本ではどこにいてもコンビニに行けば同じものがすぐに手に入ることの安心感について書いていた気がするが、詳細は間違っているかも知れない。
恋人は先に寝たので、ひとりで飲酒。それもまたよし。おつかれさまでした、明日もぶちかますぜ。