堂々と言葉についてだけ
11月3日(日)。
4回目の屋上と短歌。昨日までの雨予報が曇りに変わっていてうれしい。
今回のテーマは「虫」。思っていたより具体的な虫についての歌が多かった。「虫の知らせ」とか「虫の居所が悪い」とか「虫の息」とか、「虫」という語の含まれる慣用句を用いたものがありそうだな、とも想像していたのだけど、そういうのはひとつもなかった。
セックスのことについて(のようにも読める)歌がいくつかあった。リアルに虫を想像したときの生々しさからきているのか。なんとなく、みんなはっきりとそうは言わないのがおもしろかった。歌会でそういう話題はしてはいけない? そんなことはないよな。たまたまそういう空気だったのだろう。まあ、初対面の人がほとんどな場でどこまで言っていいのか迷うのもわかる、というかぼくも特に何も言いませんでしたが(言えばよかったね)。
具体的な虫の名前を出すとき、その虫の生物としての特徴をどこまで受け手が共有しているのか、というのはきちんと考えなければならないというか、考えても仕方のない面もあるが、例えばカマキリが交尾のあとにオスを食べることもある、とか、自分にとって当たり前のことが読み手にとってはそうでない、ということの難しさとか、最終的には想像して落としどころを決めるしかないと思うけど、おもしろいな。
一方で、虫自体に強くイメージがついてしまっているものもあって、作者としてはそういうものにとらわれてはいけないと思うのだけど、とは言え…という面もあり、なかなか難しいテーマだったな、と感じた。
いっしょに歌会に参加していた恋人とラーメンでも食べに行こうなどと話をしていたが、とうもろこしのごはんと豚汁のセットが気になったので頼んでみた。めちゃおいしい。やったぜ。
食べ終えて、散歩でもしようと思って店を出ると雨が降っている。曇りって言ってたじゃん! でも歩いていたらどんどん弱まっていったのでオーケー。また降り出したら電車やタクシーに乗ればいいか、ということで、帰りのことも考えて東京駅方面へ歩いてゆく。知らない道を突き進んで見たことのある景色に合流すると、それまでの道のりが一気にリアリティーを帯びるような感覚があって、好き。上野公園までたどり着いた。以前、お花見シーズンのときに来たことがあったので、ここはあのときは屋台があったところやね、みたいな話をする。意外と覚えている。
頃合いを見計らって東京駅まで行く。無事に見送ったあと、大人しく帰ってもいいのだけれど(それが正しい選択なんだろうけど)まだ話し足りない気分で、迷ったけどまた屋上に行ってみた。小林さんと山階さんがいて、今日は山階さんがたくさん歌集を持ってきてくれていたから、それを読みながらゆっくり話ができた。
音楽の話をするとき、ぼくはとくに歌詞に惹かれるところがあるんだけど、歌詞のことばかり言うのは煙たがられることもある。短歌は、堂々と言葉についてだけ思ったことを言っていいので、自分には向いている気がする。ユニクロについての歌、あれはだれのなんていう歌集だったかな。買ってじっくり読んでみたい。
「水が濁り虫が沸いたりするような時期だから…」から始まるが、吉