あっ この感じは覚えていたい

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こんなに早く

6月21日(金)。大阪へ向かう。

ツイッターを見ていると関東の友だちが同じような時間帯の新幹線でそれぞれ向かっているみたいで、ちょっとわくわくしてしまう。悲しい気持ちはその他をすべて覆ってしまうわけではない。いっそみんなで行けばよかったのにというツイートに同意するが、周りに友だちがいたらとても冷静ではいられなかっただろうなとも思う。

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通夜。遺影がかっこよくて感心した。なんなんだろうな。なんなんだろう。ふしぎな人だ。ぼくは山田さんのことを最後まで全然知らなかったな。こんなに早く最後が来るなんて思ってなかったもんな。

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こんばんは。どうも。山田さん、元気ですか。おかしなこと言ってる気もしますけど、事の済んだ今なら、意外と逆にまじで元気なんじゃないかな、と。どうです?

山田さんがヤバくなってるのをぼくが知ったのは5月6日でした。ゴールデンウィークの最終日。その日、ぼくは午前中に文学フリマでしこたま買物をしていて、そのあと、川崎にある、友だちの両親がやっているお蕎麦屋さんに行く予定だったんです。駅で友だちと待ち合わせて、バスを待っているとき、弟のシュンくんから連絡があって。それを見たときはどうしたらいいかわかんなくて、動揺をあんまり出さないようにして、でもお蕎麦は食べて(ごめんね)、それから事情をそれとなく伝えて、新幹線で京都に行ったんですよ。

新幹線に乗るまでの経緯とか、全然省略していい内容なんだけど、山田さん、こういうどうでもいい話もちゃんと聞いてくれるから、いいかなと思って。こういうの、好きでしょう? 好きでなかったらそう言ってほしいんですけど、まあ、それは叶わないので…。このあともたぶん、こういう感じで続きますけど、よろしくお願いします。

関東はくもりだったけど、その日、京都はめっちゃ雨降ってました。こんなバッドニュースで、新幹線で駆けつけて、そんで豪雨とか、ベタにも程があるでしょう。

病室で山田さんのお父さんに挨拶して、シュンくんに事情を聞きました。いや〜、敢えて言わせてもらいますけど、もうちょっとなんかあったでしょ! それは146歳くらいまで生きてから選ぶべき死因ですよ。このタイミングでそれは、っていう。起きちゃったことなので、どうしようもないんですけど。

しかし、そのときはさっぱり実感が湧かなかったですね。今もそうですけど。派手に怪我してるわけでもないし、ちょっとヒゲ剃ってないだけでだいたいいつもの山田さん。ただし、首元のあたりの手術痕以外は。それを見て、まじな話なんだなと思いました。

京都駅に戻って新幹線を待つ間、ミスドで抹茶オールドファッションとか食べながら天井を見上げたり見上げなかったりして状況を整理しようとしたんですけど、全然わかんなかったです。わかんなかったのは、今回の件もそうだし、そもそもぼくは、山田さんと仲がよかったのかな、っていう。

どうやら、周りからはそれなりに深い関係性だと思われているようです。それはたぶん、「ほうかご実験クラブ」によるところが大きい、というのは想像できます。でも、実際どうでした? 山田さんはぼくのことを信頼に足る人間だと思ってくれていたのでしょうか。そのあたりを確認することのないまま、その機会を永久に失ってしまったのはとても残念です。

もし、自分以外の誰かが同じようなことで悩んでいたら秒で「そんなのどうでもいいでしょ」って言うんですけど、いざ自分のこととなると、他の人とちがって、山田さんめっちゃ最高! みたいなエピソードが思い浮かぶわけでもなく、今ならまたちょっと違ったと思うんですけど、基本的におたがいシャイで、ガツガツ踏み込んでいくタイプではないので、分かり合えた! 的な瞬間を共有できたようにも思えず、ふだんからよく遊んでいけなし、という感じで、自分に悲しむ資格があるのかな、とか思ってしまうんですよね。いやはや。

「ほうかご実験クラブ」をやってるとき、一度配信中にケンカしたことがありましたよね。そのときは確か新宿の麺通団にふたりで行って和解したと記憶しているんですけど、あのときの自分、今考えると全然腹を割って話してなかったな〜と思います。ウケる。今ならもっとうまくやれるんですけど、もうその機会はないんですよね…(しつこい)。

動いてる山田さんと最後に会ったのは2018年の12月でした。「動いてる山田さん」ってなに。京都に遊びに行って、鴨川でビールを飲みながら、京都住みて〜って言ったら「いいとこだよ、おしくんなら楽しいと思うよ」と返してくれたような記憶があります。ぼくのことを「おしくん」って呼ぶのは山田さんだけです。この呼び方は、正直な話、けっこう好きでした。

こういう「正直な話」を直接、もっとできればよかったんですけどね。その機会はもう永久にないわけです。

ぼくは山田さんのDJのことはよくわかんないし、笛のことも全然どうでもよくて、まいんちゃんとか水曜どうでしょうとかもピンとこないし、二郎は嫌いではないけど中本に魅力は感じないし…やばい、ディスってるみたいになってきました、そういうつもりではないんですけど。なんか、なんだったんですかね、我々は。まあ、そんなのはぜんぶどうだっていいんですよね。友だちというのは。

やさしい人だったなと思います。いつもは黙っているのに、よろけたときにスッと肩を支えてくれるようなイメージです。よっぽどのことがないと怒らないし、よっぽどのことがあったときに怒れる強さがぼくの目には魅力的にうつりました。

あと、昔、なんか、ストローで酒を飲んで変に酔っ払うのにハマってた時期がありましたよね。ああいうの、嫌いじゃないです🙆‍♂️ こういうよくわからん話も忘れないでいたいです、個人的には。

さて! なにが言いたいのかわかんなくなってきました。この期に及んでまだぼくは、山田さんに対して素直になりきれないのかも知れません。

…まあ、近いうちにとは言わないですけど、またいつか!

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