それで実は最初、ちょっと
2月9日(土)。雪、雨、くもり。
降雪は大したことなかった。実体のない、大いなるなにかへの感謝の念(心のてるてる坊主が効いた説)と、結局いつもと大して変わらない景色への残念な気持ちを抱え、北浦和を目指す。15時にしみずと待ち合わせ。「インポッシブル・アーキテクチャー」、なにより名前がかっこいい。
建築についての知識が全然ないこともあり、解説を真面目に読んでいたら2時間も経ってしまった。えらい。
たしか菊竹清訓の「海上都市」のところの解説に、「海の上に都市を拡張しようとするのは体制への反骨心によるもの」というようなことが書いてあって、めちゃくちゃグッときてしまった。有名無名を問わず、「何が人を衝き動かすのか」というトピックがつまらなかった試しがない。あと、トロニーくんのブログで見たことある名前だな〜と思った。
昔の話には関心を持てないことも多いのだけれど、それでも冒頭のロシアの人たち(ざっくりしたまとめ方)とか、「桂離宮の人」という知識しかなかったブルーノ・タウトには素直に感心した。第2次大戦以降のポップカルチャーと隣接していく様は当然おもしろいし、今まさに活躍している建築家についてもざらっとさらうことができて、全体としてはかなり満足。再来週から展示物が一部入れ替わるらしいし、ひっかかったキーワードについてちょっと勉強してまた行ったら理解も深められそうでよさそう。建築、興味あります。
ほぼ閉館の時間までいた。コーヒー豆を買うのに付き合ってもらって、夜は気になっていた居酒屋へ。魚屋でもあるらしい。「やさしくてあったかいものを食べたい」というリクエストをいただいたが、結果としてはガン無視してしまった…と思いきやメニューに雑炊があってまさかの大勝利。頼まなかったが。
しみずとはいつどこで知り合ったんだっけ。2011年3月、今はもうない横浜ブリッツでのGRAPEVINEのライブに向かう途中だったか帰りだったか、横浜駅ですれ違ったとき、いっしょにいた共通の友人であるあーちゃんに紹介してもらったのが最初だったような気がする。ちがう気もする。ふたりで会うのはたぶん5年半ぶり。真夏の渋谷、タワレコ近くのだだっ広いドトールでRSRのチケットを譲った記憶。今となっては、何もかもがなつかしい。それで実は最初、ちょっとだけ緊張していたんだけど、全然そんな必要はないんだよな。今、ひとりでウケてる。
向かいのお店も大変よい雰囲気。マフィン100円、これはたぶんすごいこと。まじ北浦和に住みたいおれは。
展示もごはんも久しぶりにしみずとたくさん話せたことも、今日起きた全部が楽しくてすっかりブチ上がってしまい、おとなしく帰ればよいものをつい屋上へ行ってしまう。家に帰ると、どうしたって現実と向き合わざるを得ないから…。
しかし、楽しいことに楽しいことを重ねていくのは自傷行為のようにも思える。…そんな風に考えなくていいのにね。