あっ この感じは覚えていたい

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また始まるために

1月12日(土)。くもり、のちに雨。雪は確認できず。

3年くらいぶりに美容院に(ずっと近所の床屋に行っていた)。金髪にも少し飽きてきたので、プロの力を借りて新しい扉を開きたい。ベテランバンドが外部からプロデューサーを招聘するように。

となりにはこの連休に成人式を迎える青年が座っていた。おれはこういうときに聞き耳を立てがち。彼を担当している美容師の男性が「男を見せるために周りのペースに合わせて酒を飲み続けないといけないこともある」と言っていて、気の毒に思った。こういう呪いは早く世界からなくなるといい。青年は「そうっすかねえ」と曖昧な返事で、知らんけど感があってよかった。

緑色にして、というオーダーだったのに青くなったときはびっくりしたけど、最終的にはすごくよい感じにまとめてくれてうれしい。ちんと要望を伝えて信頼して任せたら最高の結果で返ってきて、めちゃくちゃ感動してしまった。

数年前に今日のとはべつの美容院でブリーチしてもらったとき、傷みがハンパないので一般的にブリーチしたあとにパーマはかけられない、だからこれは実はグッドなのです、とあんまり好きでなかった自分のくせっ毛をほめられたことがあった。そこは結局その1回しか利用せず、金髪にすることもやめてしまっていたからすっかり忘れていたが、今日担当してくれた方にまた同じことを言われた。最初のときは半信半疑だったけど、ちがう人に同じ話をされたら信じていい気がしてくる。

決してよくはないルックスの自分が美容院になんか行っていいのか、とか昔はたぶん思っていたんだけど、まじでそういう風に自分で自分にブレーキをかけるのは意味ない。「ただしイケメンに限る」とかね、ほんとうにイヤな言葉だ。

美容院が予定より長引いたので、1時間くらい遅れて地元の友人たちとの飲み会に合流。全然想像していなかった話題になって、少しうろたえてしまった。ふだんから理解のあるつもりで生きていても、いざというときそういう反応になってしまう自分の未熟さが情けない。そのときの会話を振り返るとえらそうなことを言ってしまった気もするが、とにかくおれはだれのことも否定したくないし、自分にとって親しい間柄の人にはできるだけ長く楽しさが続いてほしい。冷静に考えると具体的にできることはそんなにないなって思うけど、せめて背中を押すくらいは。

翌朝に用事のある友人ひとりを家に帰し、残った人たちは深夜の公園へ移動する。時計は2時を回っていた。

大学までは進学のたびにそれまでの交友関係が消滅する人生だったので、中学の同級生と深夜に車で出かけるようなイベントには縁のない人生だと思っていた。なにが起こるかわからない。この公園には夏によく行っていて、数ヶ月ぶりの再訪だった。その頃から今までにあったことを報告し合う。以前より素直に話ができて、そういう信頼関係を築けたことがうれしい。あなたのおかげで変わることができたと言ってくれた(「あなた」とは言わないけど)こと、クソ寒いのに男梅サワーを飲んでたこと、「世界が終わるまでは…」を熱唱したこと(グループ内で謎に流行っていた)、それをニコニコ見ていたこと。たまに吹く風の鋭い冷たさや午後ティーのぬるさ。この夜のぜんぶを忘れたくないな。

それでハチャメチャにエモい気持ちで家に帰ったら、中学卒業のときに書いた「20年後の自分への手紙」が届いていた。絶望的なまでにおもしろくなかったけど、今の自分はそう思えたことが救い。アレを見て「やっぱおれは昔からおもしろいな〜」みたいな感想を抱くような人間だったら終わってる、というくらいひどかった。

でも、内容はともかく、このタイミングで届いたことにどうしても運命めいたものを感じてしまう。もうここでできることはやりきった感があって、動き出そうと思っていた矢先だったから。まさか20年前の自分に背中を押されることになるとはね。手紙の内容はまじのガチで最悪だったけど、やっぱわかってるよな〜、おれは。