(I can't) うまく折り合いをつける
1月3日(木)。晴れ。風が強い。
今年は読書量を増やそうと思っている。今日は御田寺圭『矛盾社会序説』を読んだ。ドトールで。キャッチーでわかりやすい「手を差し伸べるべき対象」たちの裏でないがしろにされ続けた「透明化された存在」を取り上げた本。まだ途中だけど、ひとつひとつは独立していると思っていた個別の事例が少しずつ関連していることに気が付いて、最終的にどういう結論になるのか楽しみ(という言い方はちょっとふさわしくない気もするけれど)。希望があるといいな。
とりわけ「02 男たちを死に追いやるもの」は切実に読んだ。ほとんどの世代で男性の自殺者は女性より2倍以上である、その理由を様々なデータから紐解いていく。「できる男はよく稼ぎ、よく働く」という期待がいかに男性を追い詰めるか、提示される解決方法の実現可能性も含めて絶望的な気持ちになる。
個人的には、ここで書かれているようなものからは注意深く距離を取っていて、それは現時点ではかなり成功していると思っている。休日には好きなことができて、友達もいて、自分を受け入れてくれるコミュニティーも複数ある。こういう、人間関係こそが資本だ、みたいな考え方に名前がついてたと思うんだけど、忘れてしまったな。一方、その代償として出世してガンガン稼ぐみたいなレースからはとっくに下りている。両方できてる人はすごい。この先も多分、メイクマネーには縁がない人生だろう。なんとかなるっしょ、と能天気に信じていたいけど、おそらくはそうもいかない、ンゴねえ。
お金よりも大事なものがあるだとか、互いの技術を交換し合う社会だとか、甘美な響きだけれど、実際どこまで成立するのか。結局、そういうことができるのは大資本のおこぼれに預かれる極一部の人たちだけでしょ、っていう感じだ。少なくとも今は。いっそ明日にでもお金が紙屑になってほしいんだけど、まだまだそういう世界にはならなさそう。さらに言うと、そういう世界になったところで自分がうまくやっていける保証はどこにもない。たぶん、今とは別の生きづらさが生まれるだけだ。あれ、じゃあもう、詰みなのでは。
おっと、純度100%の愚痴になってしまった。本当に言いたかったのはこんなことではなかったはずだが…。
- 作者: 御田寺圭
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