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お台場でポケモンを捕まえた

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2016年7月より全世界で順次リリースされ、日本でも公開と同時に爆発的なブームとなっているAR(拡張現実)技術を利用したスマートフォン用ゲームアプリ『ポケモンGO』。1996年2月27日に『緑』版を買って以来のポケモンファンである僕がこれをプレイしないわけがなかった。

しかし、リリースから1ヶ月も経つと、なかなか図鑑が増えなくなってきた。もともと、うちの近所はマサラタウンよろしくポッポとコラッタばかりが出る。たまに都内に出るたびにマメに新しいポケモンを探していたのだが、それにも限界がある。ポケモンのサーチツールを使っても、レアなポケモンを見つけるのは決まって布団の中。タイミングよく自分が外に出ているときにまだゲットしていないレアなポケモンが出ることはほとんどない。

今後のポケモントレーナーとしてのキャリアを考えていく中で、レアなポケモンがたくさん出る場所があることを知った。特定のポケモンがたくさん出てくる公園などは「巣」と呼ばれ、フシギダネの巣である錦糸公園や、かつてミニリュウの巣だった世田谷公園は記憶に新しいが、それらの「巣」とは違い、特定のポケモンのみが出てくるのではなく、複数のレアなポケモンが現れるとのこと。具体的には、関東では、千葉のポートタワー周辺、ディズニーランド、八王子駅、お台場などらしい。

お台場に着いた

f:id:osicoman:20160903153427j:plain 2016年9月3日、午後3時30分頃。お台場海浜公園駅着。この駅を使ったのは初めてだった。お台場に行く用事と言えばだれかのライブを観ることくらいしかないし、埼京線直通が便利で、普段は東京テレポート駅を使っている。案内に従って駅から少し歩くとすぐに「アクアシティお台場」に着く。ああ、これがアクアシティ…そう言えば聞いたことある名前だな…、そうか、自分はこういうキラキラした場所には縁のない人生だったんだろうか、いやそこまでそんなでもないと思うんだけど。まあいいか。とにかく、お台場は、東京テレポート駅から zepp tokyo に至るまでの何もない道の印象しかなかったので、狐につままれたような気分になる。

そんなタイミングで現れたのは狐がモチーフであろうロコン、ではなく世界中で大人気の黄色いネズミ、ピカチュウ。ちょっとテンションが上がる。幸先のよいスタート、って感じだ。そのすぐ後に現れたのはレアコイル。なんなんだ、バブルか。しょっぱなからこのラインナップ、否が応にも期待が高まっちゃうぜ。

目的地はお台場海浜公園だったのだけれど、アクアシティにもポケストップはたくさんあり、そこらじゅうに花が舞っている。ウワサに聞いていたとおりコイルとビリリダマがたくさん。基本的に出てきたポケモンは全部捕まえていくスタイルなので、なかなか公園までたどり着けない。ちなみに、途中でモンスターボールが枯渇してしまうのは最悪なので、あらかじめ道具の所持数は 1000 にしておき、できる限りボールを集めておいた。だいたい、モンスターボール 250個、スーパーボール 250個、ハイパーボール 100個くらい。ただ、アクアシティにも海浜公園にもポケストップはたくさんあるので、ふつうに散策してるだけで十分ボールの補充はできると思う。

着いたのは15時半くらいで、日差しが強烈だった。事前にコンビニで 500ml のペットボトルを2本買っておいたのだけれど、駅前にマルエツプチがあった。必要なものはここで買うのがいいと思う。でも公園内にも自販機はあったし、もちろん水飲み場やトイレもあり、そもそもすぐそばにはアクアシティがあるしで、そのあたりのことはあんまり気にせずとも楽しめる。まあ、ちゃんと準備して行った方がいいってのはそりゃそうだけど。風が心地よかったし、もう少し気温が下がったら気持ちよく散策できそう。

いざ公園へ

想像していた5倍くらい人がいたし、パッと見た印象では、その場にいた人たちの9割くらいはポケモンGOをプレイしていた。20代〜30代くらいの人が多いように見えたけど、親といっしょに遊んでる子どもやもう定年退職してそうな白髪交じりのご夫婦までプレイしていて、感動してしまった。「国民的」っていうのはこういうことなんだ、って思うくらい本当にいろんな人がいた。

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ここにいる誰とも知り合いではないけど、みんなが同じゲームを遊んでいる、というのは不思議な気持ちだった。誇らしいようにも思った。

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適度な距離を保ちつつ、周りに迷惑がかからないようにプレイしているな〜という印象。日傘、うらやましい。

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風は気持ちいいけど、潮風なので何時間も歩きまわってると、腕とか、ちょっとベタベタしてくる。

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区で貸し出している自転車に乗った人もたくさん。ただ、とにかく人が多いので、そこまで快適ではないように見えた。平日であればスイスイ走れそう。

激走した

お台場を選んだ理由として、野生のラプラスが出るというのがあった。ラプラス自体はタマゴから孵ったものを1匹持って丁重に扱っているんだけど(ジムに鎮座するカイリューを撃破してもらっています)、ラプラスなんて、何匹だってほしいでしょうが。ということで粘りまくって数時間、ついにその時は訪れたのであった。

しかし、消滅する時間を見る限り、今いる場所からでは間に合わない。なんてこった。諦めて、目の前のゼニガメを捕まえる。しかし、本当にこのままでいいのか…?私は己に問うた、そして次の瞬間には駆け出していた。

メロスはこんな感じだろうな、と思ってひたすらに走る。iPhone のアラームをラプラス消滅の約1分前にセット。これで気にせず走り続けられる。最近は少しサボり気味だったけど、週3でランニングしていてよかった。目的の場所に近づくにつれ、周囲には同じように走る人の姿が増えていったのも心強かった。妙な一体感があった。

iPhone のアラームが鳴った。まだ目的の場所までは距離がある。メロス気分は抜けて、心の BGM は BUMP OF CHICKEN「K」。走った。転んだ。すでに満身創痍だ。転んではいないけど。靴紐はとっくにほどけていて、でも結び直したら絶対に間に合わないだろうから無視。ご迷惑をおかけしておりますと唱え続けながら、ついにラプラスのもとへ辿り着く。

もうこの瞬間、本当に嬉しくて、心から叫びそうになるのを必死にこらえた。信じれば、諦めなければ夢は叶うんだ。30過ぎて、そんなことを思ってしまうくらいにブチ上がった。ひとしきり写真を撮ったので、心して捕獲へ取りかかる。もちろん、まずはズリの実を投げる。この瞬間のために備えておいたんだ、ハイパーボールはまだ100個以上残っている。やるぞ!という気持ちでボールを投げたが、思いは届かず、1回目の揺れでボールから飛び出し、あっさりと逃げてしまった。圧倒的現実を叩きつけられた。夢は、叶わなかった。

よく頑張ったと思う。

拾う神に感謝!

すっかり立ち上がる気力を失いへたり込んでいたのだけれど、まあそれも10分もやれば飽きるので、気を取り直してまた歩き回る。海浜公園ばかりでなく、東京テレポート駅方面に行ってみたり。そっちは公園とはまた出てくるポケモンの傾向がちがって楽しい。結局午後9時すぎまで歩き回ってしまった。ラプラスには逃げられたけど、まだ持っていなかったサワムラーを捕まえられたり、タマゴからはエビワラープテラ(どちらもまだ持っていない)が孵ったりと、なかなかよかった。

もうすぐ降ってくるであろうアップデートでは「相棒」に設定して歩くことでアメがもらえるそうなので、こんな風にレアポケモンのたくさん出る場所や「巣」へ行くことの重要度も相対的に下がっていくだろう。この熱狂がいつまで続くのかわからないから、まだ持っていないポケモンを捕まえられて図鑑が埋まったのはもちろんうれしいけど、この空気を体験できたのが何よりもよかった。未来への大いなる第一歩って感じだ。あの場にいた人たちは、スマートフォンを通じて何を見ていたんだろうか。

まとめ